2023年9月20日水曜日

那須川天心は無理に倒しに行くべきではない

 那須川 8R判定 ルイス・グスマン


相手の出てくるところ、パンチのうち終わりにカウンターを集めて完勝。

3度倒して(公式は2度らしいが)判定勝ち。

3度とも抜群のタイミングと素晴らしいスピード。倒せなかったパンチでも恐ろしいスピードの右アッパーカウンターで効かせたことがあった。なぜこれ以上求めるのか?

8R、無理に倒しに行って余計なパンチを複数もらっている。まったく意味がない。

世界行く前にそんな無駄なパンチもらってダメージ蓄積させる必要が全くない。やってはならない。そういうことをしないと勝ち上がれない並のボクサーではない。


天心選手がいま倒せないのは、相手の顎を打ち抜くまでパンチを伸ばしていないのと、効いた後に押し込んでダメージを残すパンチが打ててないからのように思える。


パンチを伸ばしていないというのはどういうことか。

試合中、リカルドロペスとマルケスの話が出てきたが、リカルドロペスはパンチをかなり振り切る。振り出しもでかいが、フォロースルーがめちゃくちゃでかい。マルケスもそう。伸ばしたパンチとはこれを指す。顎に当たった時に、こういうパンチはしっかり相手の顎を回して効かしきってしまう。

中谷潤人のアッパーもそういうパンチ。


ダメージを残すパンチとは何か。

左ストレートにウェイトのシフトがあるパンチが少ない。これはサウスポーの場合だと左ひざをしっかり右足後ろまでいれることと、右ひざを曲げること。左ひざを入れることにより腰が勝手に回るのと、右ひざを曲げることで腰が落ちながらウェイトが前に移るので体重の乗った重いパンチになる。押し込む形で打つとあたる時間が長くなり、さらに力積も増す。でもこのパンチは効いた後の追撃で入れればよい。毎回打つ必要がない。


音を聞くと、痛いパンチになっていないようにみえる。痛いパンチとは何か?

ナックルパートで当てることである。骨を当てることで痛いパンチになる。


でもこんなものはこれから身に着けていけばよい。今現在、すでに他の日本人がまねできないサイドをとる技術、自在に距離を作る技術がある。ボクシングの本質は距離である。その本質部分を世界クラスにも通用するように磨きつつ倒し方のコツを身につければいいのである。本田会長も10戦やるまで世界やらせないと言っているのだから。


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